2025年最高路線価ランキング｜県庁所在地が1位とは限らない？過去データ可視化で読み解く地価下剋上のメカニズム（千葉vs船橋）

◆相続税路線価とは？

012025年　都道府県別 最高路線価ランキング

都道府県別　最高路線価ランキング　TOP10

参照：国税庁「令和７年分の路線価等について」

やはり、TOP10には東京都をはじめとした大都市が並びます。
所在地も、各都道府県の拠点となるエリアであることが分かります。

02最高路線価は県庁所在地とは限らない？（千葉市vs船橋市）

千葉県の最高路線価は船橋市

県庁所在地が一番栄えていて地価が高いと考えがちですが、実は全国でいくつか、最高路線価が県庁所在地ではない県が存在します。
中でも象徴的なのが千葉県です。
千葉県の県庁所在地は千葉市ですが、2025年の千葉県の最高路線価は船橋市です。
過去データも含めて最高路線価を分析してみると、船橋市は『下剋上が起きた都市』だということが分かりました。

船橋市と千葉市（中央区）の最高路線価の推移

2011年を境に、千葉市と船橋市が逆転し、そこから継続して船橋市は最高路線価の都市の冠を維持しています。

船橋市が船橋市が千葉市を逆転！その要因

（１）「千葉駅ビル」の建て替えに伴う長期の『空白期間』

2011年に千葉駅ビルが閉店し、長い再開発期間に入りました。その間に千葉市の他のエリアに新たな商業施設が複数オープンし、 千葉市の商業パワーが分散されたのです。

（２）船橋市は東京へのアクセスが強み

船橋市は、JR総武線快速で東京駅まで約25分。東京へのアクセスの利便性が強みとなり、ベッドタウンと言う地位を確立しました。

千葉市の猛攻

しかし、2022年を境に千葉市の猛攻が始まっており、ここ数年の価格推移は上昇傾向が続いています。
長期にわたった再開発が実を結び、現在では「全てが揃う街」として、タワーマンション供給が上がっています。
船橋の地価が天井に達しつつある中で、千葉市が持つ『開発の余白』が、今まさに投資対象として再発見されているのです。

まとめ最高路線価は街の役割の指標

最高路線価の逆転劇は、その街の『役割』が変わったサインです。
路線価を単なる計算用の数字としてではなく、都市の勢力図を読み解く『指標』として活用することで、次なる成長エリアをいち早く捉えることが可能になります。
グラフに落とし込むことで初めて、単一の地点では見えない地価の動きが可視化されます。
今回の千葉と船橋のデッドヒートは、千葉県内に複数の「経済の中心」が誕生し、相互に影響し合っているという構造を示しています。

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