
地価公示とは、国土交通省が定めた標準地(全国約26,000地点)の土地価格を、土地鑑定委員会が毎年発表するものです。 価格はその年の1月1日時点を基準とし、同年3月下旬に国土交通省のHPで公表されます。
土地の価格はさまざまな要素によって決まりますが、地価公示は売り手や買い手に売り急ぎや買い進みといった特殊な事情がない場合に 成立すると認められる「正常な価格」を表しています。
そのため、一般の土地取引において重要な指標となる情報です。
地価公示の詳細については、こちらの記事でもご紹介しています。
- 全国
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全用途平均は4年連続、住宅地は11年連続、商業地は3年連続で上昇しました。
いずれも上昇幅も拡大しています。 - 三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)
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全用途平均・住宅地は4年連続、商業地は3年連続で上昇しました。
- 地方
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地方四市では上昇幅がやや縮小したが、その他の地域では概ね拡大傾向が継続しています。
地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)では、全用途平均は13年連続、住宅地・商業地は12年連続で上昇しました。
その他の地域では、全用途平均・商業地は11年連続、住宅地は10年連続で上昇しました。
以上のグラフは全て国土交通省「変動率及び平均価格の時系列推移表」より作成しました。
- 変動率1位:北海道富良野市
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変動率1位は北海道富良野市の「北の峰町4777番33」(富良野-4)で、上昇率は31.3%でした。
このエリアはスキー場の麓に位置し、宿泊施設や観光関連施設が集まる人気の観光地です。 近年のインバウンド需要の増加に伴い、観光客の受け入れ環境を整えるためのインフラ整備も進められており、地価の上昇に影響を与えています。 - 変動率2位:長野県白馬村
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変動率2位は長野県白馬村の「北安曇郡白馬村大字北城字堰別レ827番36」(白馬-1)で、上昇率は29.6%でした。
このエリアは2024年度も上昇率上位に位置しており、引き続き大幅な上昇傾向が続いています。
白馬村は別荘地として人気が高く、インバウンド需要の増加が地価上昇の要因と考えられます。今後も観光地としての注目度は高いでしょう。 - 変動率3位:沖縄県宮古島市
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変動率3位は沖縄県宮古島市の「宮古島市上野字野原東方原1104番」(宮古島-6)で、上昇率は23.1%でした。
このエリアは宮古空港の近くに位置し、周辺にはリゾート地や温泉などが集まる人気の観光地です。 観光客の増加とともに、宿泊施設や商業施設の整備が進んでいる点が地価上昇の要因とみられます。 - 上昇率上位はいずれも国内外の富裕層に人気の観光地であり、今後もその動向が注目されます。
- 石川県能登地方
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令和6年能登半島地震や豪雨により、大きな被害を受けた地域では、地価が大きく下落しています。
特に輪島市や珠洲市などの沿岸地域では、建物の倒壊や道路の寸断により、生活環境の回復が難航している地域もあります。
被災地域ではインフラ復旧や住宅再建のための支援が進められていますが、復旧の進度により今後の地価動向に影響を与える可能性があります。
また、地域によっては観光振興や地域再生の取り組みが進められており、回復の兆しが見られる場所もあります。
- 山野楽器銀座本店
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価格が一番高い場所は、19年連続で東京都中央区銀座(中央5-22)の「山野楽器銀座本店」でした。
銀座は日本屈指の商業地であり、国内外の高級ブランドや企業が集まるエリアのため、その価値が維持され続けています。 インバウンド需要の回復や再開発の影響で、今後も高い地価が続くと考えられます。
まとめ2025年も引き続き全国的に地価上昇傾向、能登地方の復旧が急務
2025年も全国的に地価は上昇傾向にあります。
観光地の地価上昇が全国的に広がりつつあり、今後もインバウンド需要や再開発が進む地域では、さらなる上昇が期待できます。
一方で、能登半島地震や豪雨により被害を受けた地域の地価下落が顕著であり、地域の復興支援とともに、安心して住める環境の整備が求められます。
今後も経済の回復や再開発の進展により、さらなる地価上昇が見込まれる地域もあり、動向を注視することが重要です。
◆REX地価公示・地価調査データについて
地価公示・地価調査を独自にデータ化
国土交通省から公開されるデータ(住所)をもとに、緯度・経度座標を付加したデータです。
また、整備データは1997年から最新年度の全国分を揃えており、過去データもご提供いたします。
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