- 2025年(令和7年)地価調査の動向
商業地・住宅地 上昇率ランキング TOP3
商業地・住宅地 下落率ランキング TOP3
一番価格が高い場所

地価調査とは、各都道府県が定めた基準値(全国約21,000地点)の土地価格を、各都道府県が毎年発表するものです。
価格はその年の7月1日時点を基準とし、同年9月末頃に国土交通省の公式サイトで公表されます。
地価公示と同様に、各地点の情報は国土交通省の不動産情報ライブラリで検索して見ることができます。
土地の価格はさまざまな要素によって決まりますが、地価公示・地価調査は売り手や買い手に売り急ぎや買い進みといった特殊な事情がない場合に 成立すると認められる「正常な価格」を表しています。
そのため、一般の土地取引において重要な指標となる情報です。
なお、地価調査は、地価公示と調査時期、調査地点において相互に補完的な関係にあります。
地価調査の詳細については、こちらの記事でもご紹介しています。
- 全国
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全用途平均は13年連続、住宅地は12年連続、商業地は4年連続で上昇しました。
引き続き、いずれも上昇幅も拡大しています。
- 三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)
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全用途平均は13年連続、住宅地は12年連続、商業地は4年連続で上昇しました。
- 地方
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地方でも概ね拡大傾向が継続しています。
地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)では、全用途平均は11年連続、住宅地は9年連続、商業地は12年連続で上昇しました。
その他の地域では、全用途平均は14年連続、商業地・住宅地は12年連続で上昇しました。
以上のグラフは全て国土交通省「変動率及び平均価格の時系列推移表」より作成しました。
02商業地・住宅地 上昇率ランキング TOP3
<商業地>1~3位ランキング:北海道千歳市が独占!
半導体製造会社「ラピダス」の進出により、JR千歳駅付近が1~3位を独占しました。
オフィスビルや宿泊施設の建設が進むなど再開発が活発で、今後の地価動向が注目されるエリアです。
また、ラピダスが立地する工業団地「千歳市美々ワールド」には、公立の「千歳科学技術大学」キャンパスもあります。
ラピダス関係者やその家族の移住が進むことで、将来的には“理系人材を育てる教育都市”として、中長期的に注目されています。
さらに千歳市は、地価公示・地価調査・路線価のいずれでも高い上昇率を記録しており、3つの調査結果が連動している典型例といえます。
- 1位:北海道千歳市 末広2丁目122番2外内『末広2-6-3』(千歳5-2)
- 上昇率31.4%
- 2位:北海道千歳市 北栄2丁目1345番27『北栄2-3-9』(千歳5-3)
- 上昇率29.9%
- 3位:北海道千歳市 東雲町1丁目6番4(千歳5-1)
- 上昇率29.6%
<住宅地>1~3位ランキング
今年も観光地として人気が高い地域が上位を占めており、今後の動向にも注目が集まっています。
- 1位:北海道富良野市 北の峰町1981番62『北の峰町11-21』(富良野-3)
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上昇率27.1%
このエリアはスキー場の麓に位置し、人気の宿泊施設や観光関連施設が集まる人気の観光地です。
こちらも地価公示でも高い上昇率を記録しました。 - 2位:北海道千歳市 東雲町5丁目52番(千歳-1)
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上昇率23.2%
- 3位:北海道千歳市 千歳市栄町5丁目3番外内(千歳-3)
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上昇率23.1%
商業地と同様に、再開発による上昇が住宅地でもみられました。
03商業地・住宅地 下落率ランキング TOP3
下落地域に共通するのは、人口減少や需要の集中による“地域間格差”です。
北海道の豊頃町・滝上町・幌延町はいずれも人口規模が小さく、札幌・千歳などの成長エリアとの対比で需要が弱まりました。
また、宮城県気仙沼市は震災後の復興需要が落ち着き、石川県能登地方の下落は継続していますが、下落幅は縮小しました。
<商業地>1~3位ランキング
- 1位:北海道紋別郡 滝上町字滝ノ上市街地2条通2丁目2番5外(滝上5-1)
- 下落率-6.3%
- 2位:宮城県気仙沼市 本吉町津谷松岡18番 (気仙沼5-2)
- 下落率-5.8%
- 3位:北海道天塩郡幌延町 2条南1丁目2番1外(幌延5-1)
- 下落率-5.6%
<住宅地>1~3位ランキング
- 1位:北海道中川郡豊頃町 茂岩末広町140番(豊頃-1)
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下落率-6.7%
- 2位:宮城県気仙沼市 本吉町馬籠町50番1(気仙沼-9)
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下落率-5.9%
- 3位:石川県輪島市 河井町六部87番14(輪島-3)
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下落率-5.8%
- 明治屋銀座ビル
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価格が一番高い場所は、20年連続で東京都中央区銀座(中央5-13)の「明治屋銀座ビル」でした。
銀座は日本屈指の商業地であり、国内外の高級ブランドや企業が集まるエリアのため、その価値が維持され続けています。
地価公示の最高価格も同様に、19年連続で銀座です。
インバウンド需要の回復や再開発の影響で、今後も高い地価が続くと考えられます。
まとめ引き続き全国的に地価上昇傾向
地域や用途により差があるものの、全国的に地価は上昇傾向にあります。
リゾート地や観光地の地価上昇が全国的に広がりつつあり、今後もインバウンド需要や再開発が進む地域では、さらなる上昇が期待できます。
また、大手半導体メーカーの工場の進出による再開発があったエリアでは、周辺エリアの住宅需要が高まり、住宅地だけでなく商業地、工業地も高い上昇がみられました。
◆REX地価公示・地価調査データについて
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地価公示・地価調査を独自にデータ化
国土交通省から公開されるデータ(住所)をもとに、緯度・経度座標を付加したデータです。
また、整備データは1997年から最新年度の全国分を揃えており、過去データもご提供いたします。 - 当データの強み
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(1)データベースになっているため、細やかな分析ができる!
(2)位置情報を持たせることで、地図データと重ね合わせて見ることができる!
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(4)多様なフォーマットに対応可能!
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